PREMIUM.J TACHIKAWA
自然と共に暮らす家
脱炭素社会の達成に向けて、住宅の断熱性・気密性を上げることはエネルギー消費を抑えるという観点に置いて重要な事項である。しかし、それを追い求めて外皮を強化した結果、住宅が自然環境と切り離された存在となってはいないだろうか。日本古来の家は風土に適応する形で自然に対して開き、共存していたが、その良さが失われつつあると感じている。そこで、様々な半外空間を内包し内外をつなぐことにより、太陽光や風などの自然を利用しながら共生し、快適かつ電気エネルギー負荷を抑えた住まいの実現を試みた。
また、現代日本人は均質で経年変化の無い人工素材を好むが、かつての日本の住まいは、木、土、石等の自然素材によって造られていた。使いこむことで味わいが増し、愛着が生まれ、住まい手の感受性を育む自然素材を内外装に用いることで、暮らしに真の豊かさをもたらすことができるのではないかと考えた。